【トリビア】普通預金取引と届出印

金融取引と印鑑
記事内に広告が含まれています。

金融機関で、普通預金口座を開設する際、印鑑を届け出ると思います。
なぜ、印鑑を届け出る必要があるのでしょうか。
それでは、確認していきましょう。

 

預金の払い戻しと印鑑照合

不特定・多数人を対象に、短時間で預金の受入・払戻の事務処理をしなければならない金融機関の預金業務。
特に普通預金の払い戻しにあっては、預金の払い戻し請求者が預金者本人かどうかを確認することは大変困難です。
そこで、金融機関では、口座開設依頼人から預金取引用の印鑑(印影)を届出てもらい、その印影と預金払戻請求書上の印影(預金払戻し請求者が押した印影)とを照合(印鑑照合)し、一致すれば預金の払い戻しに応じています。

 

真正な預金者でないものに対する払戻は「無効」

預金の払い戻しにあっては、真の預金者でない者に対する払戻は「無効」となります。
すなわち、預金の準占有者(真の預金者ではないが、預金通帳や印鑑を実際に保有しているもの)に預金を払い戻してしまった場合、真の預金者に対する払戻義務は残ります。
そのため、二重払いの責任を追わなくてはなりません。
そこで、金融機関は、過去のトラブル事例・裁判所の判決等を参考にして、トラブルの回避に配慮した簡便な方法で預金払戻し請求者が真の預金者かどうかを判定し、預金の払い戻しに応じています。

 

金融機関が善意かつ無過失の場合の払戻は「有効」

預金者のような外観を有するもの(例えば、通帳や届出印を持参している人)に対して預金を支払った場合、金融機関が「善意」であり、かつ「過失がなかった」(無過失の)ときに限り、たとえその払戻を受けたものが真の預金者でなかったとしても、その払戻は有効とする、と定められています。
善意とは、預金払戻し請求者が無権利者とは「知らなかった」こと、無過失とは「知らなかった」ことに不注意はなかったいうことです。
したがって、相当の注意を持って印鑑照合し、一致すれば払戻に応じるのが金融機関における通常の事務処理です。
なお、最近では、ICカードや生体認証システムなどを活用し、印鑑なしでも窓口で手続きできる金融機関が一般的です。

 

まとめ

普通預金取引では、金融機関は、口座開設に際して預金者から印鑑を届出てもらいます。
預金の払い戻しを受け付けるときには届出印と払戻請求書上の印(印影)が同じものかを照合することによって、預金者か否か確認しています。