クレジットカードを使用して買い物をした時、署名を求められることがあります。
なぜ必要なのでしょうか。
確認していきましょう。
クレジットカードと署名の関係
クレジットカードは20世紀のはじめにアメリカで生まれました。
最初は、紙製のもので、顧客を識別する番号と顧客の名前などが記載されていました。
百貨店やガソリンスタンドなどで買い物した時に、常連客が後払いをする、いわゆる「つけ買い」のためのカードでした。
その後、ダイナースクラブが多数の加盟店で利用できる汎用のクレジットカードを発行しました。
日本で最初のクレジットカードの誕生です。
その後、クレジットカードはプラスチックのカードになり、多数の銀行がクレジットカードを発行するようになりました。
会員制であったため、本人のサインを登録しておき、売上伝票に小切手のようにサインをすることで本人利用の確認をしていました。
加盟店は取引銀行にこの売上伝票を持ち込みます。
そうすることで、小切手のように加盟店に対して売上代金相当金額が支払われる仕組みです。
加盟店取引銀行は会員が所属する銀行に売上伝票を送付して、会員所属銀行から支払いを受けます。
また、会員所属銀行は会員に対して売上伝票のコピーを付けて、代金の支払を請求します。
売上伝票にサインすることは、小切手振り出しの場合の小切手への署名と同じ役割を果たしていたのです。
我が国には、クレジットカード以前には、チケットやクーポンによる信用購入あっせん制度がありました。
その時は、チケットなどに署名や押印を求めていました。
しかし、アメリカから導入されたクレジットカードは、アメリカの方式を取り入れたため、印鑑は不要となり、署名のみが必要になったのです。
サインをすることで不正使用を防ぐ
コンピュータが発達する以前から存在するクレジットカードでは、クレジットカードに署名したサインと売上伝票への署名との照合が唯一の正当な保有者であるかの確認方法でした。
アメリカでは、会員は、送られてきた売上伝票の内容とサインをみて自分が使用していない請求があった時には貸付真実法の規定により「請求エラー」として、会員の所属するクレジットカード会社に異議を申し述べることができます。
クレームを受けたクレジットカード会社は、加盟店を管理するクレジットカード会社に対して、異議の内容に基づきチャージバック(取引の取消)請求を行うことができ、会員に対する支払いの請求を停止します。
我が国のクレジットカード会社でも、他人に不正利用された旨の申し出があれば、利用状況やその署名などを調査し、キャンセル処理やチャージバックで処理しています。
なお、現在のクレジットカードは、ICチップが埋め込まれ、サインの代わりに暗証番号の入力を行っています。
それにより、真正なカード及び正当な保有者であるかの確認が行えるようになり、より安全になりました。
なお、スーパーマーケット等少額取引では、サインが免除されている場合があります。
まとめ
クレジットカードの署名は、カードの正当な所持人が利用したという証としての署名(サイン)です。
真正なクレジットカードの裏面の署名欄と、カード利用の伝票に行ったサインを照合することにより、正当な保有者かどうかの判定が行われます。