個人の印鑑を市区町村役場に登録するのと同じように、会社の印鑑も登録が必要です。
では、どのタイミングで会社等法人の印鑑を登録するのでしょうか。
それでは、確認していきましょう。
会社等法人の場合の印鑑登録のタイミング
会社等法人の場合、商業登記を申請するタイミングで、あらかじめ使用する印鑑の届け出をしなければならないことになっています。
届け出る場所は、個人の場合は、市区町村役場ですが、会社等法人の場合は、本店の所在地を管轄する登記所に対して設立登記を申請します。
一方、登記申請人となる会社の代表者(代表取締役等)は、あらかじめ印鑑を登記所に提出しなければならないため、設立登記申請書類と一緒に「印鑑届書」を提出します。
この時に提出された印鑑のことを実印あるいは会社実印といいます。
また、印鑑登録した会社の代表者(代表取締役等)が交代した時は、改めて印鑑登録を行う必要があります。
会社実印となる印鑑について
個人の場合と異なり、制限事項はそれほど多くありません。
以下の2つです。
- 会社実印となる印鑑は、辺の長さ1cmの正方形に収まるもの、または3cmの正方形に収まらないものを使用することができません。
- 商号に適するものでなければなりません。
上記の大きさに関する基準を満たすものであれば、丸印にかぎらず角印等を実印とすることもできますが、いわゆるシャチハタ印などの浸透印やゴム印と言った変形しやすく照合に適さない印鑑は、実印として登録することができません。
また、印鑑の表現については、個人の場合の各市町村の印鑑条例のような制限はありません。
照合ができさえすれば、以下の様な印鑑であっても届出ることができます。
- 会社名が一切読み取れない印鑑
- 会社名がなく個人名のみの印鑑
- 会社名と異なる会社名が読み取れる印鑑
なお、登記官は、登記所に提出された印鑑と照合すべき登記の申請書等の印鑑が商号に適さない場合には、改印その他相当の措置をとることを求めることができます。
印鑑の提出方法は?
「印鑑届書」により届け出ます。
その印鑑届書には、会社実印のほか、会社の代表者(代表取締役等)の個人実印を押印したうえで、その押印した印鑑の作成後3ヶ月以内の印鑑登録証明書を添付しなければなりません。
なお、会社設立など登記申請と同時に印鑑届書を提出する場合、登記の添付書類として当該印鑑証明書を添付していれば、それを用いることもできます。
登記所に提出した印鑑は、印鑑記録に記録されるほか、印鑑及び印鑑届出事項は、磁気ディスクに記録されます。
まとめ
会社の印鑑(はんこ)の提出は、その会社の設立登記申請と同時に登記所(法務局)に対して「印鑑届書」を提出することにより行います。
この登記所に届けられた印鑑がいわゆる「会社実印」となります。
「印鑑届書」には会社実印のほか、会社代表者の個人実印を押印したうえで、その個人の印について「印鑑登録証明書」(作成後3ヶ月以内のもの)を合わせて提出します。
なお、外国人の場合には、印鑑届出書の署名が本人のものであることを証明する署名証明書またはサイン証明書を添付することになります。