【トリビア】実印と印鑑登録証明書の役割

印鑑登録制度と実印

不動産の売買契約など、重要な契約をする際、多くの場合、印鑑登録証明書(印鑑証明書)が必要です。
印鑑登録証明書はどのような役割を果たすのでしょうか。
それでは確認していきましょう。

 

印鑑登録と実印の関係

実印は法律上の用語ではありません。
実印は、個人の場合は印鑑登録の際に届出た印鑑、会社等法人の場合は登記所(法務局)に届出た印鑑のことです。
それぞれ、個人の場合は、各市区町村の定める印鑑条例に従って登録された印鑑であり、会社等法人の場合は、商業登記法の定めるところに従って届け出られた印鑑を指します。

以上のように実印とは、その印鑑の押印につき印鑑登録証明書(個人)あるいは印鑑証明書(会社等法人)と照合され、その同一性を確認された印鑑のことをいいます。
すなわち、原則として、はんこが押印された文書等に印鑑登録証明書が添付されていなければなりません

 

印鑑登録証明書(印鑑証明書)とは

個人の場合、印鑑を登録したあとに印鑑登録書(印鑑カード)を添えて書面により登録した印鑑について証明書の請求をすることができます。
この登録した印鑑についての証明書のことを「印鑑証明書」あるいは「印鑑登録証明書」といいます。
これは、各自治体の印鑑条例に従い、印影、すなわち印鑑を登録した市区町村役場から発行されます。
名称も、「印鑑登録証明書」ということが多いようです。
また、最近では、「印鑑登録証明書」について専用の端末機を自動交付機として、書面で請求することなく交付を請求できる制度を採用している市区町村もあります。
さらに、住民基本台帳カードとの複合運用をする市区町村も増えてきています。

前述のように、個人の印鑑登録は、その個人が住民基本台帳に登載されている市区町村にしなければなりません。
その「印鑑登録証明書」も登録した市区町村でなければ交付を受けることはできません。
「印鑑登録証明書」には、登録された印影と相違ない旨の認証文のほか、市区町村の定める印鑑条例に従った事項(登録者本人の住所、氏名および生年月日)が記載されます。

法人の場合、「印鑑証明書」は商業登記法の定めに従い登記官が発行します。
その印鑑証明書には、やはり転写された印鑑につき、届け出られた印影に相違ない旨の認証文のほか、商業登記規則で定められる一定の事項(会社等の本店、商号、代表者の職氏名および代表者の生年月日)が記載されています。

なお、印鑑カードの発行を受けていれば、本店所在地の登記所のみならず全国の登記所で「印鑑証明書」の取得が可能です。

 

「印鑑登録証明書」(印鑑証明書)の有効期間はどれくらい?

基本的に、これらに有効期限はありません
ただし、会社等法人の場合には、代表者が変わっている場合は、事実上使用できないことになります。
しかし、その「印鑑証明書」の有効期限が切れて無効になったというわけではありません。
不動産登記法やその他の法令で、作成後3ヶ月以内や6ヶ月以内のものでなければならないと定められていることがありますが、その法令の目的に従ってそれぞれ定められているもので、証明書そのものの有効期間ではありません。

 

どのような場合に実印を押すのか?

個人の場合、法令等により市区町村長に届け出た印鑑でなければならない、と定められている場合です。
また、会社等法人の場合には、法務局に届け出た印鑑でなければならない場合があります。
この場合、その法令において同時に、添付書類としてそれぞれ「印鑑登録証明書」(印鑑証明書)の貼付が要求されており、かつ、発行後一定の期間以内のものでなければならない、と定められている場合もあります。
法令等によって、実印を押すという定めがない場合においても、当事者間の契約で実印を押すよう要求されることがあります。
この場合には、所定の書面にて実印で押印し、更に個人の場合は「印鑑登録証明書」、あるいは会社等法人の場合は「印鑑証明書」を貼付することになります。
また、契約書等に、任意に実印を押すことがあるようですが、いずれにせよ「印鑑証明書」を添付しなければ実印であることが判明しませんので、証明力の点からは他のはんこを使用した場合と同様の効果しかありません。

 

法令等によって実印を押すことが求められる場合とは

法令等による場合の例をみてみましょう。

①不動産登記を申請する場合
不動産を売買した場合の所有権移転登記や、抵当権等の担保権を設定する場合です。
この場合には、申請人またはその代表者(申請人が会社等法人の場合)が登記申請書または委任状に記名押印をした時は、印鑑に関する証明書を貼付しなければなりません。
しかも、この証明書は、住所地の市区町村長または登記官が作成したものに限られます。
この印鑑に関する証明書が、個人の「印鑑登録証明書」、または、会社等法人の「印鑑証明書」です。
さらに、この印鑑に関する証明書は、作成後3ヶ月以内のものでなければならないとも規定されています。
また、書面申請の場合で、不動産登記法関係の規定またはその他の法令により、申請情報と合わせて提供しなければなりません。
同意または承諾を証する情報を記載した書面に、作成者が記名押印した時は、印鑑に関する証明書を貼付しなければなりません。
しかし、この場合には、作成後何ヶ月以内という制限はありません。
なぜなら規定がないからです。

②遺言書等を作成したり、私文書や定款に認証を受ける場合
遺言書等を作成しようとする時、私文書に認証を受けようとする時、または会社等法人の定款に認証を受けようとするときなどに公証役場に行くことがあると思います。
その際に、公証人から「印鑑登録証明書」(印鑑証明書)を要求されます。
この場合の「印鑑証明書」は、作成後3ヶ月以内のものでなければなりません。

 

まとめ

印鑑登録証明書は、法令により要求される場合や当事者間で任意に使用されることがあり、それぞれ署名あるいは記名とともに本人確認や意思確認のために使用されます。
全て対象となる文書等に押している印鑑(はんこ)と印鑑登録証明書上の印鑑と照合され、その印鑑の同一性の確認をされることにより効力を発揮します。
なぜなら、印鑑登録証明書は本人のみが取得できるからです。

タイトルとURLをコピーしました